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DEEP JAPAN ULTRA 100 ~NIIGATA~ 2023 【PART2】



投稿日
投稿者 パパ隊長

100マイル完走を目指してスタートした前回の投稿の続きになります。
今回は、大苦戦しながらも浅草岳(前岳)の超急登と超激下りを制した後、ロードがメインとなるコースで大白川体育館エイドを経由し、ハーブ香園エイドに到着するまでの様子をお伝えしたいと思います。

そして、下記が今回パパ隊長が参戦する100マイルレースのコースマップになり、緑→青→黒→赤の矢印の順番で進みます。
DJU100 100マイルコースマップ
※地理院タイルにコース・エイド等のレース情報を追記して掲載

 

浅草岳(前岳)に向けて超急登が連続

スタートからは1.3Km程のロードが続いた後、ムジナ沢登山口から浅草岳(前岳)に向けてのトレイルが始まります。ちなみに、ムジナ沢登山口からは5.8Kmで1060mの標高差を一気に登り詰めることになります。そして、最初のうちは沢に沿った緩やかなトレイルで渡渉もありますが、そのうち勾配が徐々にキツくなり始めます。そうした中、ストックの使用は守門岳の二口登山口以降ですが、ここでストックを使っているランナーがいて、パパ隊長や他のランナーに教えてもらい、仕舞うことになっています。勘違いで使っていたとは思いますが、ここから使いたいというのが本音ではあります。
沢に沿ったトレイルの先に渡渉地点が出現!
急登が連続するようになると、両手も使いながらよじ登ることになっています。しかもかなり滑り易く、SPEEDGOAT5(トレランシューズ)のグリップ力には安心していましたが、ここは相性が悪いのか、これまでのような安定感が全くありません。その結果、早々に両足首のすぐ上の向う脛が攣り始めています。
こうなると、余計に力が入り辛くなり、踏ん張りが効かず、更に滑りまくり、崩れたバランスを立て直そうとすると、今度は脹脛や太腿が攣るという悪循環です。脚全体に渡る痙攣の連鎖で、呻き声を上げながら耐えるしかありません。芍薬甘草湯と塩熱サプリを投入してみますが、超急登が連続し、ひと息ついている暇もないので、全く効果が感じられません。
超急登の連続
標高が上がって展望が開けたトレイル

多少の急勾配でも、登りならそこそこ戦えると思ってはいましたが、序盤から全く予想だにしない展開となっています。そうした中、転びそうになって踏ん張った瞬間、腰がピキッとイッてしまいました。何とか本格的なギックリ腰は回避出来たようですが、鈍痛が続き、腰を真っ直ぐ伸ばすことが出来ない状態になってしまいました。
大苦戦が続く中、林道の終点の広場まで何とか登ってひと息つくと、パパ隊長のペースに合いそうなランナーがいたので、コバンザメをしながらこっそりと引っ張ってもらうことにします。そして、それが功を奏したのか、何とか標高を稼ぎ、前岳山頂に近付いてくると、ガスに包まれるようになっています。また、50m程の雪渓歩きもあり、踏ん張れない脚で慎重に進みます。
前岳山頂近くは雪渓が残りガスが漂う

こうして、やっと前岳山頂(標高1568m)に到着すると、油断をしたわけではありませんが、小石を踏んで右足首が外側に曲がった瞬間、向う脛と脹脛が同時に攣り、これまでになかったような強烈な痛みに悶絶することになっています。すると、前岳山頂でルート案内をしていたスタッフや後続のランナーが、「大丈夫ですか?」と、心配そうに声を掛けてくれています。

 

九死に一生を得た超激下り

前岳山頂直下は岩場の激下り
激痛が治まり、何とか動けるようになると、スタッフにお礼を言った後、今度はズルズルの超激下りが待ち受けている下山が始まります。ここもいつものようにグリップが効かず、脚の力も入らず、これまでの超急登より、これからの超激下りの方がヤバい感じがしています。案の定、まともに歩くこともままならず、何度も滑って転び、背中からお尻、脚は泥だらけになっています。また、先行するランナーを追い抜くことは皆無の上、後続のランナーに道を譲りっ放しで、その中には、我々より1時間遅いスタートの80Kmのランナーもいます。
ズルズルの超激下りに大苦戦

そうした中、何度目かの転倒で、そのまま滑って登山道の外に飛び出し、崖下に落ちそうになってしまい、何とか登山道にしがみ付きながら、滑落するのを耐えています。幸運なことに、直前にパパ隊長を抜かしたランナーが直ぐに気が付いてくれ、パパ隊長の腕を掴んで引っ張り上げてくれました。草や木々が生い茂り、崖下がどうなっていたか分かりませんでしたが、何とか命拾いすることが出来ました。そして、丁重にお礼を言うと、そのランナーはカッコ良く颯爽と下って行きました。
その後も何度か転び、命からがら林道に到着すると、座り込んで休憩しながら、下記を補給します。

 

 ・おにぎり1個
 ・カロリーメイトゼリー半分
 ・きびだんご2個

 

下りのロードで大白川体育館エイドに向かう

この後、補給を終えて立ち上がると、腰に猛烈な痛みを感じます。前岳山頂からの超激下りでは、前屈みの姿勢が多かったせいか、痛みを感じることはほぼありませんでしたが、腰が真っ直ぐに伸びる姿勢になると、腰にダメージを負っていることを再認識させられます。もちろん、スタート早々、こんなところでギブアップするつもりは全くないので、やや前屈みになりながら、ゆっくりと歩いていると、徐々に痛みは和らぎ、何とか走ることが出来るようになってきました。
ここからは下りのロードが大白川体育館エイドまで続くことになり、走り始めて暫くすると、ポツポツと雨が降り始めています。もう少し降り始めるのが早かったらと思うとゾッとします。その後、レインジャケットをどうするか迷いながら走っていると、そのうち本降りになってきて、こうなったらレインジャケットで雨を防いで汗に濡れるか、そのまま雨に濡れるか、という選択になってしまいました。まぁ、明るいうちは寒くはないし、着替えの長袖シャツはあるので、レインジャケットは夜の雨に備えて温存しておくことにします。
雨の中、下りのロードが続く

ロードの下りということで、ゆっくりと走っているうちにペースが上がってきて、軽快な走りに変わってきました。あれだけ攣りまくっていた脚も、今はその気配がなく、腰の痛みも消え去り、ここにきて初めて先行するランナーを抜かすことが出来るようになっています。しかも、ほとんど抜かされることはなくなり、「体、軽いですねぇ!」と声を掛けられる程の好調ぶりです。
ただ、先はとてつもなく長いので、大白川体育館エイドに到着するまでのロードの区間は、走ったり歩いたりを織り交ぜながら、脚は温存しておきます。

 

大白川体育館エイド

大白川体育館エイドまでの20.4Kmの区間は、4時間45分を予定していましたが、それよりも早く4時間21分で到着することが出来ました。そして、椅子に座ろうとすると、ここでまたしても腰に激痛が走っています。どうやら、同じ姿勢を続けている間は大丈夫ですが、態勢を変えようとすると痛みが走るようです。
大白川体育館エイド

このエイドでは、下記を補給するために立ったり座ったりが多くなりますが、その度に腰を庇いながらヨチヨチ歩きとなり、15分の予定を2分程オーバーし、次のハーブ香園エイドを目指して出発です。

 

 ・わらび餅1皿
 ・パン1個
 ・バナナ半分
 ・オニオンコンソメスープ(持参)1個
 ・きびだんご(持参)2個
 ・水と麦茶をソフトフラスクに補給

 

それにしても、ソフトフラスク用のポケットが小さいのか、ソフトフラスクを満タンにしないとポケットになかなか入らない…

 

登りのロードの後はトレイルの短期決戦!

雨が降り続く中、大白川体育館エイドを出発すると、すぐにトレイルに入りますが、それは一瞬で終わり、再びロードを進むことになります。しかし、今度はほぼ登りが続くようになるので、ムリに走ることはせず、早歩きで進んで行きます。
大白川体育館エイドからのロードは登りが続く

そうした中、コースの案内にいた外国人のお姉さん(開会セレモニーで英訳していたスタッフ)が、「Nice color coordinate!」と声を掛けてくれたので、手を振りながら、「Thank you!」と答えるパパ隊長です。帽子は黒と赤、Tシャツは青と黒、トレランパックは黒、短パンは赤基調の迷彩、ハーフタイツは黒、膝のテーピングは赤と青、カーフタイツは黒と黄、ソックスはオレンジ、シューズは青と黄となっていて、確かにカラフルなコーディネイトにはなっています。
その後、林道のようなロードを登って行きますが、先行するランナー数人が左折してトレイルに入る見印を見逃したようで、真っ直ぐ進んでいます。「そっちじゃないですよ」と声を掛けますが反応はなく、改めてスマホの地図アプリでルートを確認し、パパ隊長は目印通りに進みます。すると、真っ直ぐ進んだランナー達もすぐに気が付いて戻って来たようで、後ろから声が聞こえています。
この区間のトレイルは約1.5Kmの短期決戦!

この区間のトレイルはここのみで、急登と激下りはセットになっていますが、距離は約1.5Kmという短期決戦です。浅草岳(前岳)の時のようにズルズルと滑ることはなく、慎重に足場さえ固めれば、割と楽勝で突破して行くことが出来ています。

 

ロードが中心のこの区間で時間を貯金

林道のような下りのロード
トレイルが終わると、再び林道のようなロードを下って行きます。そこそこ急な勾配なので、膝へのダメージを考え、走ったり歩いたりを交互に繰り返します。その後は、緩やかなロードの登りが続くようになり、周囲は水が張られた田んぼが広がっていて、カエルの賑やかな合唱が響き渡っています。また、田んぼの中には、農作物から鳥獣を追い払う『爆音機』という大きな音を発する装置があり、それがパパ隊長のすぐ横で、「ドーーーン!」と鳴り、飛び上がるくらいビックリさせられました。
その後も、ロードが続くこの区間は、基本的には、登りはムリをせずに歩き、下りはなるべく走るようにしながら距離を刻む作戦を続けます。そして、気が付けば、いつの間にか雨が上がっていました。
雨が上がり、ガスに包まれる守門岳方面の峰々

そうした中、「100マイルですか?スゴイですねぇ!頑張って下さい!」と、1時間遅れてスタートしている80Kmのランナーに追い付かれ、声を掛けられました。どうやら、このレースは100マイルにエントリーするだけで尊敬されるらしい…
最後は結構急な勾配を登ることになり、ハーブ香園エイドを出発したランナーとすれ違いながら挨拶を交わします。そして、その急勾配を登り詰めると、スタッフに拍手で迎えられながらハーブ香園エイドに到着です。

 

 

今回はここまでになります。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



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