上日川エイドに到着して終了した前回の投稿の続きになります。
今回は、このレースの名称になっている甲州アルプスの稜線を経由する急登と激下り、その後の深沢峠エイドまでの様子をお伝えしたいと思います。
甲州アルプスの稜線へ
上日川エイドからは緩やかな舗装された林道を少し進んだ後、急登のトレイルが始まります。そして、この辺りからは、登山者とすれ違うことが多くなり、どこから来たのか聞かれました。なので、塩山ふれあいの森総合公園から来た旨を伝えると、「えーっ!そんな遠くから…」と驚いています。
息がゼェゼェと上がり、再び足首のすぐ上の向う脛の筋肉が攣りそうになる中、ストックをフルに使い、体全体で捻じ伏せるように登って行くと、ダートの林道に出ることが出来ました。そして、今度はほぼ平坦に近い林道を走ったり歩いたりしながら進んだ後、『天狗の抜け道』という大きな岩が転がる急登の『ゴーロ』を登ることになります。時々浮石があり、バランスを崩すことがある中、顔を上げると正面はテープが張ってあって行き止まりとなり、一旦、笹原をトラバースするルートへと向かいます。すると、一気に標高を上げてきたせいで、眼下に上日川ダムに堰き止められた大菩薩湖を眺めることが出来るようになっていました。
その後、再び急登の『ゴーロ』から急登の笹原をノロノロペースで何とか登り詰めると、大菩薩峠に続く稜線の狼平に到着です。とにかく登りが全部急登で、ストックに頼ることが多く、この辺りから時々手の指が攣るようになってきています。ただ、これまで気になっていたお尻の脚の付け根の痛みですが、気が付けば完全に消え去っていたという感じで、完走に向けての明るい材料となりました。
絶景の甲州アルプス稜線トレイル
狼平からは大菩薩峠とは反対側に進むことになり、このリリールート最高峰の小金沢山が聳え、その手前にもいくつか小さなピークが立ちはだかっています。狼平にいたスタッフが、「ここよりは緩やかですよ」と教えてくれましたが、とてもそうは見えません。また、標高が上がったので、これまで隠れていた甲斐駒ヶ岳も視界に入るようになり、南アルプスの北の端から南の端まで全開の絶景が広がっているのを眺めることが出来るようになっています。ただ、稜線はたまに冷たい風が吹き付けることがありますが、この程度なら、動き続けていれば特に問題はないかと思います。
狼平を出発すると、一旦下った後、笹原を抜け、最初のピークに向けての登りが始まります。すると、日陰になっている場所は凍っているようで、時々ズルッとなりながら慎重に登って行きます。また、この辺りのピークは岩と木の根が多く、途中、木の根に躓き、転びそうになったのを踏ん張った拍子に、右脚のハムストリングが攣りそうになりましたが、大事には至らず乗り越えることが出来ました。こうして、何度かアップダウンを繰り返した後、小金沢山山頂(標高2014m)に到着しましたが、確かに狼平のスタッフが言われていたように、『天狗の抜け道』よりは緩やかだったような気がします。
狼平からは、パパ隊長のひとり旅が続いていて、小金沢山山頂にも誰もいません。後ろから話し声は聞こえてきますが、同じようなスピードなのか、後ろを振り返ってみても姿は見えません。その後、小金沢山山頂からも小刻みなアップダウンが続き、相変わらずひとり旅のまま、下りの起点となる牛奥ノ雁ヶ腹摺山山頂(標高1990m)に到着です。ちなみに、『うしおくのがんがはらすりやま』という山名は、日本一長い山の名前だそうです。また、ここにいたスタッフが、「すずらんエイドまで下りですよ」と教えてくれますが、その下りが登りより遥かに苦手なパパ隊長です。
激下りに痛めつけられる
山頂を出発すると、しばらくは笹原を下り、一旦パノラマ岩に登り返した後は、樹林帯の中の長い激下りが始まります。そうなると、パパ隊長は走るというより、せいぜい早歩きといった感じになってしまい、後ろから来るランナーにガンガン抜かれ放題といった状況です。今に始まったことではありませんが、この下りの致命的な遅さ、どうにかならんかなぁ?これを克服することが出来れば、タイムも劇的に速くなるのになぁ…
何とか誤魔化しながら、膝にダメージを負わないように、転んで怪我をしないように、後続のランナーに抜かれることは気にせず、とにかく安全第一で激下りを切り抜けると、一旦、林道に出ることになります。しかし、それは一瞬で、再びトレイルに入ると、今度はこれまでよりも緩やかで、そのままスローペースで走り抜けると、舗装道路を越えた先にすずらんエイドが見えて来ました。
すずらんエイド
激下りの連続で、膝や太腿前部がガタガタになったような感じで、すずらんエイドに到着です。この区間は約9Kmで、関門時間は15時半です。上日川エイドから2時間6分を予定していましたが、30分以上遅れてしまい、上日川エイドでの貯金で何とか予定を上回っているタイムになってしまいました。しかし、特に失速した訳でも、気力が潰えた訳でもないので、ただ単にコースの見極めが出来ていなかったように思えます。そして、下記を補給すると、ここでも予定の時間より早く出発です。
・コーラ3杯
・バナナ半分2本
・クリームパン2個
ちなみに、計測の時、何故ゼッケンを逆さまにしているのか聞かれ、「ここが千切れたので…」と、ゼッケンを見せながら教えました。
舗装された林道で標高を上げる
すずらんエイドを出発すると、しばらくはほぼ平坦な舗装道路が続くことになり、エイドで休憩したせいか、激下りのダメージを引きずることなく、軽快に走ることが出来るようになっています。そして、舗装された林道に入ると、いきなり標高を上げていくことになりますが、勾配はキツくはないので、テンポの良い早歩きに切り替え、黙々と突破して行きます。
その後、ダートの林道に入り、下日川峠で今朝走ったルートに合流です。そして、笹原のトレイルを今朝とは反対方向に進むことになり、登りを走ってみますが、何故か平坦な場所を走っている時より軽快に走れるような感じがします。
スイッチON!
笹原のトレイルから次の深沢峠エイドに向かって分岐すると、フカフカのトレイルが続くようになり、そのトレイル上には木の根や岩といった障害物もありません。すると、ここで一気にスイッチが入った感じで、これまでになかったようなスピードで、風を感じながら颯爽と駆け抜けることが出来るようになっています。次の深沢峠エイドには、一番楽しみにしていたシャインマスカットの食べ放題があるので、それでスイッチが入ったのかも?
すずらんエイドを出発して以降、ずっとひとり旅を続けていましたが、ここで初めて先行する2人のランナーに追い付き、これまでのスピードを維持したまま一気に抜き去ります。そして、最後はトレイルを抜けて舗装道路の林道となり、すれ違うランナーと声を掛け合いながら深沢峠エイドに向かいます。
深沢峠エイド
これまでのエイドは到着時の計測でしたが、ここは出発時の計測のようで、そのままシャインマスカットに一直線です。そして、シャインマスカットを平らげた後は、コーンスープで胃を温めて一服です。
・シャインマスカットいっぱい(1房の3分の2くらい?)
・コーンスープ1杯
ここに来るまでの間も気になっていましたが、すずらんエイドから約7Km、1時間45分の予定のはずが55分での到着という嬉しい誤算で、この誤算は、登りのほぼ全てが林道であり、その後は緩やかなアップダウンのトレイルが続いたことで、大幅に予定を短縮することが出来たように思えます。
ちなみに、ここのエイドはクレーシャ108、オートルートの合流地点であり、オートルートの赤いゼッケン番号(パパ隊長のリリールートは青色)のランナーも多く到着していました。
今回はここまでになります。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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