こんにちは!パパ隊長です。
今回は10月8日(日)~9日(月)に東京都で開催された『第31回日本山岳耐久レース』についての投稿になります。
日本山岳耐久レースとは?
東京都の奥多摩を舞台に、24時間以内に71.5Kmを走破するトレランレースで、最大の特徴は、主催者から提供されるのは水とポカリスエットの合わせて1.5Lのみということで(42.1Km地点の第2関門)、それ以外の食糧と飲み物はランナー自身がスタート地点からザックに入れて持ち運ばなければなりません(コース上にある3ヶ所の水場は利用可)。もちろん、ランナー同士や沿道の応援者からのサポートも禁止になっています。
このように過酷なルールとなっていますが、パパ隊長にとっては、トレランを始めるきっかけとなった特別なレースです。
2011年、初フルマラソン(東京マラソン)でサブ4を達成し、この頑張った結果をムダにしたくないと思っていた時、その年の10月、友達がこのレースに参戦し、その応援のため、ゴール地点となる五日市会館に向かった時のことです。
夜を徹して走り、泥にまみれ、フラフラになり、怪我で出血しているにも関わらず、ほぼ全てのランナーが至極の笑顔でゴールしています。「間違いなくボロボロのはずなのに、何でこんなに楽しそうなんだろう?」と思い、「その”楽しさ”がどんなものなのか、確かめてみたい!」という思いが強くなり、翌年の2012年の参戦を決意した次第です。そして、2012年以降、レースが開催されると、必ず参戦していて、下記が過去の戦績になります。
2012年 第20回大会 14時間09分37秒(これがベストタイム)
2013年 第21回大会 16時間42分47秒
2014年 第22回大会 15時間32分39秒
2015年 第23回大会 15時間25分55秒
2016年 第24回大会 22.7Km地点の浅間峠(第1関門)でリタイア
2017年 第25回大会 32.2Km地点の西原峠でリタイア
2018年 第26回大会 22時間03分39秒(スタート直後に肉離れ)
2019年 第27回大会 台風19号直撃で中止
2020年 第28回大会 新型コロナで中止
2021年 第29回大会 新型コロナで中止
2022年 第30回大会 21時間23分03秒(土砂降りの地獄絵図)
ちなみに、この大会は主管である東京都山岳連盟に所属していた世界的クライマーである長谷川恒男の業績を讃え、大会の象徴として長谷川恒男CUPを設けています。今では、日本山岳耐久レースより『ハセツネCUP』として、日本最高峰のレースのひとつに数えられています。
出陣!
前日となる7日の土曜日は8時に起床し、最後の準備と車への荷物の積み込みを済ませた後、家内と長男・Y太に見送られ(娘と次男・R太は寝たまま…)、10時に出発です。すると、車は結構混んでいて、JR武蔵五日市駅前の駐車場に到着したのは11時半です。
こうして『寝床の確保』に成功した後は、めったにないひとりの”自由な時間”を堪能すべく、電車で高田馬場駅へと移動し、そこから散歩しながら新宿駅へと向かいます。その後、新宿をブラブラしたり、登山やランニングの店をパトロールして過ごします。
寝床の駐車場に戻って来たのは21時前で、この時間になっても、駐車場が満車になっていません。いつもは満車の上に5~6台の車が待っていますが、今回はハセツネで確保している駐車場が事前予約制になったので、前日から乗り込む連中が減ったのでしょうか?
でも、日常から離れたこの時間を堪能するのが楽しんだけどな…
その後、歯磨きとトイレを済ませ、車の中でゴロゴロと過ごしていましたが、結構寒くなってきたので、長袖シャツとフリースを着込んでおきます。そして、毛布に包まってスマホを見ていると、いつの間にかウトウトから本格的に寝落ちしたようで、そのまま朝までグッスリです。
起床後はまったりと過ごしながら準備を進める
起床は7時半で、昨晩は22時頃からウトウトしているうちに寝込んだようで、途中、目を覚ますことなく朝まで熟睡することが出来ました。そして、トイレと歯磨きを済ませると、買い出しにコンビニへと向かい、朝食のサンドイッチ、コーンスープ、コーヒーを購入し、レース用のおにぎり2個、パイナップルもここで確保しておきます。
こうして朝食を平らげた後は、ゴロゴロしながら天気予報を確認すると、夕方からは雨予報で、翌日の夕方まで続く予報となっています。去年と同じようなタイミングで降り始め、去年より長く降り続く予報なので、ここで雨のレースである覚悟を決め、それを前提にした構想を練ることになります。
その後、9時半を過ぎると、散歩がてら受付の五日市会館に向かい、受付で参加案内の封筒と必須装備のココヘリを見せ、ゼッケン、計測タグ、参加賞を貰い、再び駐車場に戻って来ました。そして、本格的に出撃の準備を進め、着替え、テーピング、ザックへの最後の詰め込みを済ませます。
こうしている間、陽射しがなく、気温も上がってこないようなので、スタートから長袖シャツを着ることにします。そして、昼食もコンビニでスパゲッティを購入し、受付で貰った『inゼリー エネルギー』と共に、最後のエネルギー補給をしておきます。
スタート前
時間も12時となり、スタート地点の五日市中学校(五日市会館の隣)のグランドに出発します。すると、ザックを背負っても、重さは感じないので、調子は悪くないかと思います。
スタート地点に到着すると、今回はスタート位置がゼッケンの色によって決められていて(パパ隊長は紫色)、『4』のブロックに並びます。去年まではゴール予想時間の自己申告で、自分の実力を遥かに上回る『11時間』の列に並んでいましたが(スタート直後の渋滞を回避するため、なるべく前に並ぶ)、今回はエントリー時に入力したITRA(国際トレイルランニング協会)が発行しているパフォーマンスインデックスによってゼッケンの色が決まっていて(要は実力に沿ったスタート位置)、そのゼッケンの色によりスタート位置が決められています。
こうして12時半から開会式が始まり、関係者の挨拶やハセツネCUPの返還、恒例の気合入れが行われていますが、その途中からポツポツと雨が降り始めています。天気予報では夕方からでしたが、それよりかなり早い時間から降り始めたようで、去年以上の”地獄”を覚悟した瞬間です。そして、開会式も終わり、各ブロックのランナーがスタート位置へと移動すると、10秒前からカウントダウンが始まります。
第31回日本山岳耐久レースのコースマップ
下記が今回のレースのコースマップになります。
※地理院タイルにコース・エイド等のレース情報を追記して掲載
スタート直後は恒例の渋滞に捕まる
カウントダウンが『ゼロ』になると、歓声と共にスタートのブザーが鳴り、1分42秒後に歩きながらスタートラインを越えます。
そして、周囲のペースに合わせながら、ゆっくりと走り始めると、足取りは軽く、調子は悪くない感じです。今回は家庭の事情で岡山に帰省したり、仕事がかなり忙しくて帰るのが遅かったりと、納得出来るような追い込んだ練習がほとんど出来ませんでした。なので、最初は好調でも、必ずどこかで失速する時が来ると思っているし、去年のような雨による大苦戦も想定しているので、ペースはぐっと抑えることを前提に、20時間での完走を目標にしています。
こうして、スタート直後からのロードが終わり、広徳寺を過ぎて登りのトレイルに入ると、恒例の渋滞に捕まります。すると、いつもより後ろに並んでいたせいか、この渋滞に捕まっていた時間がいつもより長く(約20分)、この渋滞のトレイルを脱出すると、今度は今熊神社までのロードとなりますが、ここも軽快に走り抜け、ほとんど抜かされることはありません。
今熊神社からは本格的なトレイルが始まる
今熊山の登りが始まると、長い行列の一員となって黙々と登って行くことになり、ムリにペースを上げていないせいか、足取りも軽く、息も上がっていません。そして、前を見ても、後ろを振り返っても、ずっと一列の隊列が連なっていて、ムリに抜かして前に出よとしているランナーもいません。
その後、今熊山を登り切った後も、引き続き長い行列の一員を構成しながらトレイルのアップダウンを進むことになります。すると、登りでも軽快に脚が出ていますが、得意としていない下りでも、スピーディーなステップを刻むことが出来ていて、ここで絶好調を確信することが出来ました。
このように、予想を超える渋滞に捕まることにもなりましたが、結果的には予定のタイムで入山峠に到着することが出来ました。
入山峠からは急勾配のアップダウン
入山峠から先は、急勾配のアップダウンが繰り返されるようになり、急登では渋滞となり、立ち止まっている時間もありますが、これがちょうど良い休憩となり、その間にきびだんごを時々補給しておきます。また、激下りでは、いつもは先行するランナーに引き離されてしまいますが、今回は余裕で追撃することが出来ています。
また、この辺りのランナーは似たような実力なので、レースプランに大差はないのか、強引に抜かそうとするランナーもいません。前後がほぼ同じメンツで、たまに休憩するために列を離れるランナーを追い抜いて行く展開が続く中、ムリのないペースを刻んでいるせいか、市道山分岐、醍醐丸までは、予定を上回るペースを刻むことが出来ています。
スタート前から降り続いている雨は、本降りにはなっておらず、樹林帯の中では雨を感じることはありませんが、開けたような場所では、雨を確認することが出来る程度の雨量に留まっています。
三国峠からは雨装備での夜間レース
こうして三国峠に到着したのは17時過ぎで、その手前からかなり暗くなっている上に、この先も雨が上がることはなさそうです。なので、この集団から離れることは名残惜しかったのですが、ここでレインジャケットを着込み、ヘッドライトも用意し、本格的な夜間レースの準備を整えることにします。そして、準備を終えると、ひとりで出発することになりましたが、暫くすると先行している集団に追い付いたので、今度はこの集団にコバンザメすることにし、なるべく自分の力は温存しておきます。
ちなみに、去年は雨により三国峠の手前にある連行峰への登りから登山道がぬかるみ始め、三国峠から先はドロドロの登山道との戦いとなり、滑って転んで泥まみれになっていました。しかし、今年はまだそれ程の雨量となっていないのか、まだまだ足元はしっかりとしていて、登りも下りも普通に走ることが出来ています。そして、コバンザメすることにより、三国峠に到着する前と同じような展開となり、ムリのないペースを黙々と刻み、第1関門(浅間峠)の明かりが見えてきました。
第1関門(浅間峠)
22.7Kmの第1関門(浅間峠)に到着したのは18時前で、予定より1時間以上早く到着することが出来ました。
いつもなら結構疲れた感じで辿り着く第1関門ですが、今回はかなり余裕があり、ほとんどダメージを被っていないような感じがします。そして、フルーツティーで喉を潤しながら、おにぎり2個を補給した後は、ここから使用可能になるストックの準備も行います。
こうしている間、雨は降り続いていますが、ほとんど気にならない程度です。
この先もまだ長いので、今回はここまでとし、数回に分けてレースの様子をお伝えしたいと思います。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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