Life


Mt.FUJI 100 ~2025~【PART3】



投稿日
投稿者 パパ隊長

こんにちは!パパ隊長です。
まずまずな感じでスタートを切るも、想定外に早く胃の不調を感じながら、富士宮エイドに到着した前回の投稿の続きになります。
『Mt.FUJI 100』(FUJI100mi)のコースマップ

※地理院タイルにコース・エイド等のレース情報を追記して掲載

 

天子ヶ岳登山口へ

富士宮エイド~天子ヶ岳登山口までは、舗装された道路が続きます。時々、ほぼ平坦なトレイルもありますが、普通に走ることが出来るレベルです。ただ、無理はせず、胃の状態を確認しながら、スローペースで進んで行くことにします。
そうした中、田んぼや川からはカエルの鳴き声が響き渡ってます。また、遠くからは、暴走族の爆音も聞こえ、田舎を実感するような音が交錯しています。

 

天子ヶ岳との戦いに踏み込む

富士宮エイドからは、約52分で天子ヶ岳登山口に到着です。
ここからは、約4Kmで標高差800mを登り、まずは天子ヶ岳山頂(標高1330m)を目指すことになります。
トレイルに踏み込むと、最初の約1Kmは緩やかな登りが続きますが、足元がズルズルの泥濘があります。この程度の勾配なら、何も問題はありません。しかし、「熊森山山頂からの下りはどうなんだろう?」、「こんな感じだたら地獄かも?」と思ってしまいます。
天子ヶ岳山頂へと続く急登との本格的な戦いが始まる

こうして、最初のトレイルを抜けると、一旦林道に出ます。そして、そこからが天子ヶ岳山頂へと続く急登との本格的な戦いが始まります。
その前に、塩熱サプリを投入し、スマホに充電しておきます。また、急登で暑くなることを考慮し、パーサライトジャケットを脱いでおきます。

 

天子ヶ岳 vs パパ隊長

胃が不調な中、前半戦最強の敵・天子山地に挑むことになります。途中でギブアップ出来ない戦いなので(リタイア出来るポイントがない)、勇気を持って急登に踏み込みます。すると、いつも通り、一列の隊列となり、黙々と登って行くことになっています。
隊列の一員になって、急登を黙々と登って行く

そうした中、座り込んで一点を見詰めたり、うずくまるように俯いているランナーを見掛けます。トレランの”あるある”の光景です。
パパ隊長はというと、幸いにして、脹脛や脚の付け根の怠さは、完全に解消しています。また、脚が攣るような気配も全くありません。しかし、息が上がると、徐々に胃の気持ち悪さが増大するようになっています。途中、飴玉を投入してみますが効果がなく、逆に気持ち悪くなってしまいました。なので、一旦隊列を離れて呼吸を整え、胃の回復を待ち、隊列の最後尾に復帰して、コバンザメします。
胃の気持ち悪さに耐えながら、淡々と標高を刻む時間が続いています。その間、視線はほぼ真下で、たまに見上げると、壁のような超急登が聳えています。そして、その超急登を彩る光の列を眺めることが出来ます。

 

天子ヶ岳山頂に到着!

天子ヶ岳山頂に到着!
登山口から約1時間35分程を費やし、何とか天子ヶ岳山頂に到着することが出来ました。

そして、少し先で座り込み、塩熱サプリを投入し、ペットボトルのお茶を半分飲み、息を整えながら休憩です。また、冷たい風が吹き付けるようになっていたので、パーサライトジャケットを着込んでおきます。
最後に、スマホを確認すると、無事に充電も出来ていたようです。これで、暫くは電池の心配からは解放されました。

 

天子山地の縦走開始!

天子ヶ岳山頂を出発すると、緩やかな下りが暫く続いた後、激下りが始まります。今のところ、緩やかな下りはゆっくりと走ることが出来るし、激下りの大きな段差も、胃に響くようなことはありません。
こうして、天子ヶ岳山頂からの下りが終わると、次のピークの長者ヶ岳山頂(標高1336m)を目指すことになります。すると、急登で息が上がり、一気に胃が気持ち悪くなってきました。
長者ヶ岳山頂へと続く急登

このピンチを脱出するため、寝転んで休憩することにします。一時的に楽になりますが、以降は寝転んで休憩することに罪悪感がなくなり、何度も繰り返してしまいます。しかし、目の前にあるピンチを脱出するためには、背に腹は代えられません。10分程横になって休憩した後、再び長者ヶ岳山頂を目指す戦いに復帰します。
長者ヶ岳山頂に到着!

こうして、長者ヶ岳山頂に到着すると、多くのランナーが休憩しています。パパ隊長はというと、先程寝転んで休憩したので、ここはそのまま通過します。
ちなみに、寝転んで休憩しているランナーは、パパ隊長だけではありません。多くのランナーが自分自身と戦っているようです。

 

寝転んでの休憩を繰り返す

この先、最凶の敵となって立ちはだかるのは、ルート上の天子山地の最高峰・熊森山山頂(標高1575m)です。しかし、その間にいくつかのピークがあり、緩急の登り下りが繰り返されることになります。
緩急の登り下りが繰り返される…

案の定、何度か寝転んで休憩するハメになっています。また、何度もスマホの地図アプリで現在地を確認し、その度に、「まだかぁ…」と、暗い気持ちなっています。ただ、この辺りの時間帯のランナーは、走れないのか、走ろうとしないのか、ほぼ歩きのみです。休憩の度に最後尾にコバンザメすると、無理をせずに付いて行くことが出来ています。

 

ついに”最後の一線”を越える…

鉄塔のあるピークで”最後の一線”を越える…
そうした中、鉄塔のあるピークに到着後、ペットボトルの残りのお茶を飲んで休憩です。

その後、立ち上がり、ルートに戻った直後、デッカイのが急に襲って来ました。一気に胃の奥から込み上げて来るものがあり、これを堪えることが出来ません。ついに”最後の一線”を越える瞬間が来てしまいました…
「オエーーーッ!」と声を響かせながら、胃液だけのイチバン辛いヤツが何度も突き上げて来ています。必死に耐えながら、治まるのを待つだけです。そして、何とか乗り切ると、ドッと疲労感に包まれ、「これで終わったか…」と思いながら、ゆっくりと歩き始めます。

 

天子山地の最高峰・熊森山山頂へ

”最後の一線”を越えましたが、詰まっていたものがなくなったのか、これまでよりずっと楽になっています。急登でも、少しは耐えることが出来るようになった感じです。その状態のまま、最凶の敵・熊森山山頂直下の超急登に挑むことになります。
最凶の敵・熊森山山頂直下の超急登

脚は攣ることもなく、十分に戦える状態なのが唯一の拠り所です。木の枝や幹、岩といった掴める物は全て活用します。時には四つん這いのようになりながら突破することもあります。
さすがに呼吸は急激に上がり、胃の気持ち悪さが押し寄せて来ました。しかし、決定打となる前に、何とか超急登を捻じ伏せ、熊森山山頂に到着です。

 

熊森山山頂からはトラウマ級の激下り

熊森山山頂に到着!
山頂で暫く寝転んで休憩していましたが、風が吹いて寒くなり、出発することにします。

熊森山山頂からは、約1.4Kmで標高差400mを下る激下りで、2019年の地獄絵図がトラウマになっています。しかし、今回は多少足元は悪くても、先日買った新しいトレランシューズがガッチリとグリップしています。足元の心配はほぼ皆無で、ゆっくりと慎重に足を運ぶことが出来ています。
こうして、何とかこの激下りを無難に切り抜けると、舗装された林道に到着です。

 

万事休す…

林道に出ると、麓エイドまでは約10Kmです。
時間は4時前になっていて、麓エイドの関門時間の5時50分まで、2時間を切っています。歩くのみだと間に合わないかもしれません。
最初はロードの下りが続きますが、最後にトレイルの登りが控えています。時間を稼ぐには、最初の下りを少しでも走るしかありません。
止まることなく、走ったり歩いたりを繰り返す

ということで、止まることなく、走ったり歩いたりを繰り返していると、またしてもデッカイのが襲って来ました。何度も胃液をリバースし、後ろから来たランナーに、「大丈夫ですか?」と心配されています。
そして、これ以降、水分を口に含んだだけでリバースしそうになっています。固形物は富士宮エイド以降、全く摂ることが出来ていません。これで水分も受け付けなくなってしまったようで、万事休すです…
動き続けている以上、胃の復調は期待出来ず、エネルギー補給の道も断たれてしまいました。僅かな希望に賭け、決断する時間を何とか引き延ばしていた感じですが、これで覚悟が決まりました。

 

関門時間は死守

緩やかだが、トレイルの登りが立ちはだかる
こうなった以上、もう麓エイドの関門時間は関係ありません。しかし、最後の目標は、麓エイドに関門時間内にゴールすることです。

歩きをメインとしながらも、走ることは諦めません。ただ、エネルギー切れなのか、走ってもスピードは上がらず、脚全体にズーンと重い疲労感があります。そうした中、スマホの地図アプリで現在位置を確認し、残りの距離と時間を計算しながら、麓エイドを目指す戦いが続いています。

 

麓エイドにゴーーール!

5時38分、関門時間の約12分前、やっと麓エイドに到着することが出来ました。今回は、ここがパパ隊長のゴール地点です。なので、完走でゴールするように、両手を広げ、関門の計測ラインを通過です。
麓エイド

「あぁ、終わった…」、「またしてもコレでダメかぁ…」と思いながら、家内と友達にLINEでリタイアを連絡しておきます。
その後、リタイアをスタッフに伝え、計測チップを返却し、正式にリタイアが決定です。そして、すぐにリタイア選手を富士北麓公園に運んでくれるバスに乗り込みます。さすがに”敗者”しか乗っていないバスだけあって、ドーンと暗い雰囲気です。まぁ、その雰囲気の一部を担っている訳ですが…

距離 目標タイム 実績タイム
富士山こどもの国 F1:富士宮 25.4Km 3時間10分(20分) 3時間51分(19分)
F1:富士宮 F2:麓 27.2Km 7時間01分(30分) 7時間43分
F2:麓 F3:富士河口湖町精進湖 18.0Km 4時間30分(20分)
F3:富士河口湖町精進湖 F4:富士北麓公園 27.0Km 6時間18分(60分)
F4:富士北麓公園 F5:忍野 15.8Km 3時間41分(20分)
F5:忍野 F6:山中湖きらら 9.5Km 2時間27分(30分)
F6:山中湖きらら F7:二十曲峠 14.6Km 4時間22分(30分)
F7:二十曲峠 F8:富士吉田 11.7Km 3時間30分(30分)
F8:富士吉田 富士山の銘水スタジアム 18.8Km 5時間38分
富士山こどもの国 富士山の銘水スタジアム 168.0Km 44時間37分
富士山こどもの国 F2:麓 52.6Km  11時間53分

※目標タイムと実績タイムの(〇〇分)はエイドでの休憩時間

 

リタイア後

富士北麓公園に到着したのは7時過ぎです。
すぐに体育館に向かい、ドロップバッグを受け取った後、今度は駐車場アクセスバスに乗り込みます。そして、富士山パーキングに戻って来ると、時間は7時半になっていました。
その後、車で簡単に着替え行い、横になって仮眠します。すると、一瞬で寝込んでしまったようで、以降の記憶はありません…
次に記憶が戻ったのは、11時前です。トイレを済ませ、自宅に向けて出発すると、やっと胃も復活してきたので、談合坂SAに立ち寄り、ラーメンで空腹を満たします。
こうして、自宅に無事到着したのは、13時半です。まずはビールで喉を潤し、シャワーを浴びた後、レースの片付けです。最後に、今回のナンバーカードをリビングの壁に貼ることになります。去年のナンバーカードを剥がすはずが、更に追加するハメになるとは…
今回のナンバーカード(上段左端)を追加するハメに…

 

次戦は『彩の国』か…

翌日、脚のタメージは皆無で、微々たる筋肉痛が残るのみです。100マイルに備え、脚は仕上がっていたと思われるのに、またしてもリバースに屈するハメになりました。
直近のトレイルレース5戦中、全てで胃の不調となり、4戦をリタイアしています。癖になってしまったのか?何とかならないか?
次戦は3週間後の『彩の国』です。『Mt.FUJI 100』は、168Kmの距離で累積標高は6254mです。それに対し、『彩の国』は、108Kmの距離で累積標高は6650mです。これまでの経験からも、『彩の国』の方が遥かにキツいコースだと思っています。
今回の結果を突き付けられ、全く完走している姿を想像することが出来ません。立ち向かえる戦略があるのか?

 

 

『Mt.FUJI 100』に参戦し、またしてもリバースに屈し、去年のリベンジを果たすことが出来なかった今回の投稿は終了になります。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



こんな社員がいる会社であなたも働きませんか?


タグ: , , ,