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第33回日本山岳耐久レース【PART2】



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投稿者 パパ隊長

こんにちは!パパ隊長です。
今回は第1関門(浅間峠)に到着したところで終了した前回の投稿の続きになります。スタート前からの不調が続く中、残り約50Km、どのように調子を取り戻し、どのように戦っていくか、更なる試練に立ち向かうパパ隊長です。
第33回日本山岳耐久レースコースマップ

※地理院タイルにコース・エイド等のレース情報を追記して掲載

 

第1関門(浅間峠)に到着!

第1関門(浅間峠)に到着!
スタートからは5時間40分を予定していましたが、9分近く遅れた5時間48分50秒で到着です。

座ることの出来る場所を確保すると、まずは長袖シャツを着込んでおきます。そして、MAGMA ATHLETE BARLEYとガスター10は必須なので、水を口に含むと、「うっ…」となってしまいました…
これまで、水を節約するため、暫くの間、口の中を湿らせる程度しか飲んでいなかったので分かりませんでした。かなり深刻な状況に追い込まれているのではないか、ということに気が付いた瞬間です。
また、おにぎり2個を食べる予定でしたが、食べようという気が全くせず、見送ることにします。

 

深く考えないようにして出発!

考え過ぎると、負のスパイラルになるので、休憩は予定通り20分で切り上げ、出発することにします。
第1関門を出発すると、すぐに濃いガスに包まれ、時々頭上から水滴が落ちて来ています。
どうやら雨が降り始めたようで、暫くの間、パーサライトジャケットを着ようかどうか迷っているうちに、雨の区間を抜けていたようです。ただ、ガスに包まれている時間は続いています。

 

コバンザメ作戦を敢行するも…

この頃になると、ギリギリまでスピードを抑えていた作戦が功を奏してきたのか、徐々に脚が動き始めています。
一匹狼として第1関門を出発しましたが、先行する単独ランナーに追い付くと、譲ってくれています。そうした中、集団に追い付くと、得意のコバンザメ作戦を敢行です。
25Km地点を通過

最初のうちは、余裕を持って付いて行くことが出来ていました。しかし、徐々に気持ち悪さが優勢になり、下りで遅れるようになっています。こうなると、「どこで休むか?」、「いつ休むか?」ということばかりを考えるようになっています。横になることが出来る場所を探すように走っている感じです…

 

ついにトレイル横に寝転んでしまった…

この時間になると、トレイル横で座り込んだり、寝転がっているランナーが目立ってきました。
こうなると、「休んではダメだ!ズルズルと泥沼状態になってしまう…」、「いや、少しくらいは休んでも…」と、正反対の気持ちが火花を散らしています。
こうして、暫く耐えていましたが、気持ち悪さに耐えられず、「少し休もう!」という気持ちが打ち勝ってしまいました。寝転がった瞬間、「あぁ、やってしまった…」という思いですが、これでひと息つくことが出来ました。
この日は、夜になっても気温が下がらず、風もほとんど吹いていません。汗をかいて横になっても、全く寒さを感じることがありません。

 

完全に負のスパイラル

夕方以降、気温が下がり、水分の摂取量も下がると思っていましたが、全く当てが外れた感じです。
このままでは、飲料を補給出来る42Km地点の第2関門までに、飲み物が尽きてしまう可能性が現実味を帯びてきました。第1関門まで節約してきましたが、この後も”緊縮政策”は続きそうです。
ただ、それ以上に問題なのは、水を口に含んだだけで、気持ち悪くなる瞬間があることです。想定以上に汗をかき、水分補給も必須となる中、口の中を湿らせる程度の補給しか出来ていません。
完全に負のスパイラルにハマってしまった感じです…

 

不幸続きの丸山山頂

丸山分岐まで来ると、去年は巻き道で山頂は回避するルートでしたが、今年は山頂を経由するルートです。すると、この登りで気持ち悪くなり、山頂で寝転んで休憩です。
先客のいる丸山山頂で、パパ隊長も寝転んで休憩

暫くの間、ウトウトしていると、心配したマーシャルに声を掛けられました。胃の気持ち悪さで横になっている旨を伝え、その後も暫く横になり、ウトウトの時間が続きます。
その後、意を決して立ち上り、丸山山頂からの下山を始めます。すると、グキッと右足首を捻ってしまい、その場に蹲って悶絶です。暫く激痛に耐え抜くと、深刻な状態ではなく、やや痛みは残っていましたが、何とか復活することが出来ました。

 

脚は完全復活するも…

その後も何度か休憩することになり、休憩直後は、気持ち悪さもやや改善し、脚は完全復活といった感じで軽快に動いています。「おっ!復活か!」と一瞬期待しますが、その期待も虚しく、気持ち悪さだけは一進一退といった感じです。
30Km地点を通過

そうした中、横になっていると、「ここで寝たら気持ちいいんだろうね!」という女子ランナーの声が聞こえてきました。
「オイオイ、見た目はそうかもしれんが、そもそも気持ち悪いからこうなっているんだよ!」と、心の中で反撃です。まぁ、横になっているのは、確かに快適なんだよなぁ…

 

西原峠

約32Km地点の西原峠に到着したのは、23時前です。
約32Km地点の西原峠に到着!

第1関門からは2時間10分の予定でしたが、それを大幅に越えた3時間45分50秒掛かっています。とりあえず横になって休んでいると、「リタイアします」と言う声が何度か響いています。
第2関門の関門時間は翌日4時です。なので、残り約10Kmを5時間で進めば大丈夫な計算です。
普通の状態なら2時間以内での到着が可能ですが、今の状態だと計算出来ません。更にゴールまでは約40Km残っています。おにぎりとパウンドケーキといった固形物はムリで、フルーツジュレ1個半と飴だけで賄えるのか、と考えを巡らしていると、これまでのようにウトウト出来ません。

 

ついにリタイアを決断

西原峠では、45分程横になっていました。
2012年のハセツネ初参戦以来、このコースは知り尽くしています。それ故に、考えを巡らせた結果、「これ以上はムリ!」という答えにしか辿り着きません。頭では分かっていましたが、それを認めるための45分だったようで、勇気を振り絞り、リタイアを申告します
ちなみに、今回はリバースという”最後の一線”は越えていません。スタート前からの不調ということで、完全復活は出来ませんでした。しかし、ガスター10で何とか踏ん張ることが出来たのでしょうか?

距離 目標タイム 実績タイム  
スタート 入山峠 7Km 1時間30分 1時間35分17秒  
入山峠 市道山分岐 4.7Km 1時間30分 1時間30分43秒  
市道山分岐 醍醐丸 3.6Km 1時間00分 50分39秒  
醍醐丸 第1関門(浅間峠) 7.4Km 1時間40分 1時間52分11秒  
第1関門(浅間峠) 20分 20分  
第1関門(浅間峠) 西原峠   9.5Km 2時間10分 3時間45分50秒  
西原峠 三頭山 4.1Km 1時間30分  
三頭山 鞘口峠 1.7Km 40分  
鞘口峠 第2関門(月夜見山第2駐車場) 4.1Km  1時間00分  
第2関門(月夜見山第2駐車場)  20分  
第2関門(月夜見山第2駐車場) 御前山 4.5Km 1時間30分  
御前山 大ダワ 3.2Km 1時間10分  
大ダワ 大岳山 3.9Km 1時間20分  
大岳山 第3関門(御岳山長尾平) 4.3Km 1時間00分  
第3関門(御岳山長尾平) 10分  
第3関門(御岳山長尾平) 日の出山 2.6Km 50分  
日の出山 ゴール 10.9Km 2時間20分  
スタート ゴール 71.5Km 20時間00分  
スタート 西原峠 32.2Km 8時間10分  9時間54分40秒  

 

リタイアするのも試練

リタイアするには、西原峠から約3Kmを下り、リタイアポイントに向かうことになります。
4人以上の集団で下ることが条件のようで、リタイア申告後、メンツが揃うのを待つことになります。なので、暫く横になっていると、2人の追加がありました。なので、5人の”リタイア集団”を結成し、リタイアポイントに向かうことになりました。
そして、西原峠を出発すると、下り一辺倒で、息が上がることはありません。ただ、「うっ!」となる瞬間が時々あり、第2関門を目指して三頭山を登っていたら、地獄を見ていたことは間違いと思います。

 

正式にリタイア決定!

リタイアポイントに到着し、正式にリタイア決定!
リタイアポイントに到着したのは、1時5分です。ここで、計測タグを外し、GPS端末を返却し、正式にリタイアが決定です。

色々な飲み物が用意されていて、水を貰いましたが飲むことが出来ません。しかし、温かい味噌汁は大丈夫で、これで何とか空腹を満たすことが出来ました。
その後、回収バスを待つことになり、テントの中で横になっていると、1時半、バスが到着です。

 

バスでフレア五日市へ

バスに乗り込むと、ウトウトしながら揺られ、フレア五日市に戻って来たのは、2時10分頃です。
バスでゴール地点のフレア五日市に戻って来た…

その後、コンビニでCOOLishを2個買い、車に向かいます。何故かCOOLishだけは、豪快にリバースした後も、補給することが出来る唯一の食糧です。可能なら、COOLishを持って走りたいくらいです。
こうして、車に到着すると、COOLishを平らげ、毛布に包まって横になります。すぐに昇天し、一瞬で記憶が飛び、気が付けば、7時になっていました。
5時間足らずですが、熟睡したせいか、完全復活といった感じです。そして、もう一度COOLishを調達し、無事に家族のもとに帰ることが出来ました。

 

来年春のトレランレースの予定は未定だが…

リタイアしたことにより、来年の『Mt.FUJI 100』にエントリーすることが出来なくなってしまいました。『彩の国』も引退と思っているので、これで来年春のトレランレースの予定は全くの白紙です。
ただ、ちょっと興味があるのが、トレランではなくロードの『小江戸大江戸200K』で、カテゴリーは200Km(36時間制限)です。「32Kmでリタイアした分際で200Kmとは…」、と我ながら思います。
しかし、りたいと思うことを、その時にやらないと、やらなかったことを後悔することになります。それなら、やってやるか!

 

 

去年のリベンジを目指すも、返り討ちに遭ってしまった『第33回日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)』についての投稿は、これで終了になります。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。


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