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第31回日本山岳耐久レース【PART3】



投稿日
投稿者 パパ隊長

今回は大ダワに到着したところで終了した前回の投稿の続きになり、その後の大岳山山頂から繰り返されるリバースに耐えながら、力を振り絞ってゴールするまでの様子をお伝えします。
第31回日本山岳耐久レースコースマップ
※地理院タイルにコース・エイド等のレース情報を追記して掲載

 

気持ち悪さのピーク×大岳山の急登

大ダワを出発すると、大岳山山頂までの区間は、緩やかな登り基調のトレイルにアップダウンが交じるコースとなっています。パイナップルを食べてやや気持ち悪くなりましたが、脚は意外に軽快で、集団にコバンザメすることも出来たので、そのまま引っ張って貰うことにします。
しかし、徐々に胃が痛くなり、登りで息が上がった後、「オェッ!」となるのを我慢することになってきています。なので、どこかで休憩しようと思いながらコバンザメを続けていましたが、なかなか適当な場所が見付からず、淡々と我慢する時間が続いていました。しかし、大岳山山頂に向けての岩場の急登が始まる手前で、雨を避けながら座り込んで休憩することの出来る場所があったので、コバンザメを中止し、集団から離脱することにします。

「力尽きてきたなぁ…」と思いながらも、色々あって走ることの出来なかった期間があったせいか、こういったキツさも、至福の時間のうちのほんの一部という感じで、逆に楽しむことも出来ているような気がします。そして、暫く休憩した後、誰にもジャマされないよう、前後にライトの光が見えないタイミングを見計らって出発します。
すると、大岳山山頂に向けて、急勾配の階段、大きな段差の岩場、切れ落ちた鎖場といった危険地帯が次々と立ちはだかりますが、黙々と自分のペースで突破して行くことが出来ています。ただ、息が上がり続けているせいか、気持ち悪さは悪化の一途を辿っている感じがします。また、これまでストックを握り続けていたせいで、両手の握力がなくなってきたようで、鎖を握っても力が入らない感じがしています。

 

大岳山山頂

大岳山山頂(練習時に撮影)
※上記の写真は、練習時に撮影した写真になります。
こうして大岳山山頂に到着すると、ちょうど空いていたベンチに座り、岩場の急登で上がった息を整えようと思い、水を飲んで喉を潤すことにします。しかし、ソフトフラスクから水を吸った瞬間、一気に気持ち悪くなり、先程食べたパイナップルをリバースするハメになり、その後も「オェッ!」という声を何度も周囲に響かせてしました。
この先、ゴールまでの約20Km、ほぼ飲まず食わずとなることを覚悟した瞬間です。もし、これが前半戦なら、確実にリタイアしていたことは間違いなく、後半戦だったので、何とか気力を繋げることが出来たのではないでしょうか?

 

ボロボロになってきた…

大岳山山頂からの下りは、岩場の大きな段差が連続することになります。すると、この段差を下りる衝撃が胃に響き、余計に気持ち悪くなり、「オェッ!」となって立ち止まり、胃液交じりの水分だけをリバースすることになっています。
その後、疲れ果てたような感じで、綾広の滝の近くの東屋に到着すると、ここで休憩することにします。すると、先着のランナーが横になって眠っているようで、パパ隊長も横になって休憩しますが、暫くすると寒くなってきたので、これ以上横になっていることは出来ません。なので、脚を中心にストレッチしながら疲れを何とか誤魔化し、再び立ち上がるタイミングを探します。
意を決して東屋を出発すると、ここから第3関門(御岳山長尾平)までの区間は走ることに出来る遊歩道のようなトレイルが続きます。なので、口の中をリフレッシュしようと、東屋の先にある水場で湧き水を少し口に含んでみると、これは大丈夫な感じで、飲み干すことも出来ました。
その後は、走ろうとすると、気持ち悪くなって長続きせず、結局、歩いている時間が圧倒的に長くなってきています。そうした中、足元には大きな水溜まりが広がっている場所もあり、平坦な場所でも時々ズルッと滑ることがあります。なので、これから先は、これまでよりも足元が悪くなることを想定し、ゴールするまで歩き続けることを覚悟しなければいけないという最悪の展開も考えざるを得ない状況になっています。

 

第3関門(御岳山長尾平)

第3関門(御岳山長尾平)~長谷川恒男顕彰碑~(練習時に撮影)
※上記の写真は、練習時に撮影した写真になります。
58Km地点の第3関門(御岳山長尾平)に到着すると、一旦、雨を避けることの出来るテントの下のベンチに座りますが、直ぐに寒くなってきたので、休憩は早々に切り上げて出発することにします。

結局、第2関門(月夜見山第2駐車場)~第3関門(御岳山長尾平)の区間も、終わってみればほぼ予定通りのタイムで突破することが出来ていました。

 

猛烈な睡魔と戦いながら日の出山山頂へ

第3関門を出発すると、直ぐに御嶽神社の山門の手水に到着し、綾広の滝の近くの湧き水を飲むことが出来たので、ここでも手水をひと口飲んで口の中をリフレッシュしておきます。
そして、いつもなら軽快に走ることの出来る第3関門(御岳山長尾平)~日の出山山頂の区間に踏み込みますが、一気に猛烈な睡魔に襲われ、欠伸を連発することになっています。左右にフラフラ揺れ、ベロベロの酔っ払いのように真っ直ぐ歩くことが全く出来ず、時々意識が飛んだ感じでハッと気が付くといった状態が続いています。
日の出山山頂

しかし、意識が飛びながらも何とか日の出山山頂に到着すると、疲れ果てた感じでドカッと東屋のベンチに座り込み、俯きながら目をつむっての休憩となります。その間、後続のランナーが到着すると、「ここからはキツい登りはないですよ」と言うスタッフの声が聞こえてきます。
ただ、スタッフに教えて貰うまでもなく、十分過ぎる程コースは知り尽くしているので、眠いし、気持ち悪いし、ここから劇的に回復するとは思えない中、歩いてでもゴールする覚悟を決め、日の出山山頂を出発します。

 

日の出山山頂直下で地獄を見る

日の出山山頂からは、これまで降り続いた雨の影響により、約10Kmに及ぶドロ沼と化したトレイルとの戦いが始まります。しかし、そのトレイルに挑む前、まずは山頂直下の急勾配の階段を、足を滑らさないように慎重に下る必要があります。すると、この段差の衝撃の影響なのか、階段が終わってトレイルに入る直前、波状攻撃のように一気に込み上げて来るものがあり、それに耐え切れず、連続リバースに見舞われるハメになっています。
何とかリバースも治まり、トレイルに入ると、これまで降り続いた雨のせいで、トレイル全体に広がる水溜まり、泥水が沢のように流れているトレイル、平坦でも油断していたらズルッとなってしまう場所が至る所に出現してきています。ここまで何とかシューズがずぶ濡れになるのを避けることが出来ていましたが、これでは防ぎ切ることが出来ず、一気に泥まみれになってしまいました。

 

激闘の末に、ゴーーーーール!

ゴールまでのこの区間、アップダウンはあるものの、緩やかな下り基調のトレイルが続くのがせめてもの救いで、ズルッと滑った痕跡は至る所に見ることが出来ますが、何とか転倒は回避しながら進むことが出来ています。そうした中、先行するランナーを追い越すことはほぼ皆無で、後ろから追い付いて来たランナーに道を譲ることを繰り返しています。
65Km地点

ただ、このまま低レベルのパフォーマンスを続けながらゴールだけを目指すという後ろめたさもあり、ほぼ平坦な場所はなるべく走ってみようとします。しかし、暫く走り続けていると、一気に込み上げて来るものがあり、立ち止まって何とか耐え忍びますが、どうしても我慢の限界を超えることがあります。すると、「オェッ!」となって胃液交じりの水分だけをリバースすることになり、一旦そうなると、それを連発するようになり、追い付いて来たランナーに、「大丈夫ですか?」と心配そうに声を掛けられることになっています。
ドロ沼と化したトレイルと何度も繰り返されるリバースにヘトヘトになりながらも、何とかトレイルが終わり、五日市市街のロードに入ると、最後だけは走ろうと思い、残っている力を振り絞ることにします。すると、意外にも気持ち悪さは感じられず、ついに最後のコーナーを曲がると、レインジャケットのフードを取り、ゴールの瞬間の写真に備えます。そして、降り続く雨のせいか、ゴール付近の観客はいつもよりは少ないですが、「ナイスラン!」という掛け声や温かい拍手で迎えられながら、いつものように両手を広げて五日市会館前のゴールラインを駆け抜けることが出来ました。

距離 目標タイム 実績タイム  
スタート 入山峠 7Km 1時間30分 1時間29分24秒  
入山峠 市道山分岐 4.7Km 1時間30分 1時間08分05秒  
市道山分岐 醍醐丸 3.6Km 1時間00分 46分07秒  
醍醐丸 第1関門(浅間峠) 7.4Km 2時間00分 1時間34分33秒  
第1関門(浅間峠) 30分 15分47秒  
第1関門(浅間峠) 西原峠 9.5Km 2時間10分 2時間04分20秒  
西原峠 三頭山 4.1Km 1時間30分 1時間29分52秒  
三頭山 鞘口峠 1.7Km 30分 37分15秒  
鞘口峠 第2関門(月夜見山第2駐車場) 4.1Km 50分 1時間06分08秒  
第2関門(月夜見山第2駐車場) 30分 12分22秒  
第2関門(月夜見山第2駐車場) 御前山 4.5Km 1時間30分 1時間31分21秒  
御前山 大ダワ 3.2Km 1時間00分 1時間06分43秒  
大ダワ 大岳山 3.9Km 1時間30分 1時間22分58秒  
大岳山 第3関門(御岳山長尾平) 4.3Km 1時間00分 1時間19分55秒  
第3関門(御岳山長尾平) 20分 5分22秒  
第3関門(御岳山長尾平) 日の出山 2.6Km 50分 48分31秒  
日の出山 ゴール 10.9Km 1時間50分 2時間27分04秒  
スタート ゴール 71.5Km 20時間00分 19時間25分47秒  

 

ゴール後

ゴールを駆け抜けると、泥にまみれた計測タグを外してもらった後、完走証と完走Tシャツを手に入れることになります。そして、完走証に記載されているタイムを確認すると、『19時間25分47秒』となっています。
完走証

去年は、ゴールした時には雨も上がっていて、サービスの味噌汁を飲んでひと息つきましたが、今回はまだ雨が降り続いている上に、胃の調子もボロボロなので、直ぐに車に向かうことにします。
駐車場に到着すると、まずは着替えをすることにし、駐車場に隣接している多目的トイレで着替えを済ませます。その後、コンビニへと買い出しに向かい、お腹は空いていますが、胃の調子は相変わらずなので、飲み食い出来そうな『COOLish』とコーヒーを買い、自宅に向けて出発することにします。
途中、何度も睡魔に襲われながらも、10時半前に何とか無事に到着することが出来ました。
そして、恒例のパパ隊長の誕生会(10月3日が誕生日です)を兼ねた祝勝会は、パパ隊長の胃の不調と家族の予定を考慮し、翌週に持ち越しとなりました。ちなみに、レースが終わって2日程、この時のリバースの影響なのか、空腹を感じると、胃がムカムカすることが続いていました。
また、6月の『DEEP JAPAN ULTRA 100』以降、歩いても、走っても、山に登っても痛くない左膝ですが、朝の通勤電車で30分程座っている時だけ痛くなるという不思議な現象が続いていました。しかし、このレースを境に、その痛みが解消しています。6月以降、走る距離が少なかったせいでしょうか?

 

今後は?

前半は順調なレース展開でしたが、後半は地獄を見る展開となり、レース前に十分練習をすることが出来なかったせいか、”走りたい”という気持ちが強く、過酷な状況でも、リタイアしようと思うことはありませんでした。現時点では、来年の東京マラソンに落選し、次のレースは未定で、第1希望は『Mt.FUJI 100』(『Ultra Trail Mt.Fuji』から改名)、第2希望は『彩の国』のリベンジだと思っています。
今回のハセツネ、肉離れで練習の出来なかった『東京マラソン 2023』、力の限り練習をした『DEEP JAPAN ULTRA 100』を参考にすると、十分に練習した結果、”走りたい”という気持ちを強く持ちながらレースに臨めたら、最高の結果を出すことが出来るのではないでしょうか?

 

 

これで『第31回日本山岳耐久レース』に参戦した投稿は終了になります。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



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