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第31回日本山岳耐久レース【PART2】



投稿日
投稿者 パパ隊長

今回は第1関門(浅間峠)に到着したところで終了した前回の投稿の続きになり、三頭山山頂までは好調をキープしながらも、それ以降、徐々に低迷しながら大ダワに到着するまでの様子をお伝えします。
第31回日本山岳耐久レースコースマップ
※地理院タイルにコース・エイド等のレース情報を追記して掲載

 

コバンザメ作戦が的中!

第1関門(浅間峠)を出発すると、暫くの間は一匹狼の状態が続いていて、先行する遅いランナーに道を譲ってもらいながら進んで行きます。そうしているうちに、大きな集団に行く手を塞がれることになったので、ここはムリに前に出ようとはせず、この集団にコバンザメすることにします。
25Km地点

その後は、この集団に追い付かれたランナーが道を譲ってくれたり、集団の一員になったり、逆に集団から離脱するランナーもいたりしながら、進んで行くことになります。速過ぎず、遅過ぎず、今のパパ隊長にとってはちょうど良い感じのペースです。なので、ほぼ抜かされることもありませんが、転んだ時に腰を強打し、暫く悶絶していた間だけ、集団から離脱することになり、結構抜かされたような気がします。ただ、転倒から復活してペースを取り戻すと、再び集団に追い付き、これまでのコバンザメ作戦を継続します。
こうしている間、トレイル脇の木にもたれるように座ったり、ボーッと立ち尽くしたりしているランナーを見掛ける頻度が高くなってきました。そのほとんどが一点を見詰めているか、俯いてしまっているかのどちらかで、パパ隊長も十分過ぎる程経験がありますが、この動くことの出来ない時間が、とんでもなく辛いんだよなぁ…

 

大沢山に向けての岩場の急登

こうして、集団にコバンザメしながら予定よりも早く西原峠に到着することが出来ましたが、お腹が空いてきたので、名残惜しいですが、西原峠のすぐ先にある槙寄山山頂でこの集団から外れることにします。そして、雨の影響の少なそうな木陰に座り込み、休憩しながらカロリーメイトを補給した後、少し前から我慢していたトイレも済ませることにします。
槙寄山山頂を出発すると、再び一匹狼となり、遅いランナーを追い抜くことはありますが、ちょうどよい集団を見付けることが出来ません。なので、一匹狼のままコース最強の敵のひとつでもある三頭山の手前の大沢山に向けての岩場の急登に挑むことになっています。すると、ひとりならペースが上がるのか、先行する一匹狼のランナーが道を譲ってくれています。ただ、そのせいか、これまでにないくらいに息が上がっています。

 

三頭山避難小屋

今回からの新しいルールで、『深山の路』の合流点~『コマドリの路』の合流点の約1.9Kmが歩行区間に指定されています。まぁ、走ろうとしてもガンガン走ることの出来る区間でもないので、レースへの影響はほぼ皆無で、むしろ、正々堂々と歩くことが出来るので助かります。そして、岩場の急登を捻じ伏せ、『深山の路』の合流点に到着した後は、歩きながら三頭山避難小屋に到着です。
三頭山避難小屋に入ると、エマージェンシーシートに包まって寝ているランナーや、俯いて考え込んでいるランナーがいます。そうした中、座ることの出来る場所を確保すると、雨と汗でやや湿った感じの長袖シャツとTシャツの着替えを行い、きびだんごも補給しておきます。
こうして、リフレッシュして快適な感じで再スタートを切ることが出来ましたが、休憩していた間にやや雨が強くなっていたようで、周囲もガスに包まれるようになっていました。そのせいか、これまでより足元が緩くなっている場所が多くなっていますが、去年に比べると、まだまだ許容範囲といった感じです。

 

三頭山山頂からの下りで調子も急降下

三頭山山頂
三頭山避難小屋から三頭山山頂は目と鼻の先で、急登の階段を登った先が三頭山山頂となります。ただ、雨を避ける場所もないし、三頭山避難小屋で休憩しているので、ここはスルーして、鞘口峠に向けての下山を開始します。

すると、大きな段差を含む激下りが始まりますが、この辺りから、徐々に胃がムカムカし始めています。それでも『コマドリの路』の合流点で歩行区間が終わると、先行する集団に追い付き、コバンザメしながら、割りと軽快に下って行くことが出来ています。ただ、調子は徐々に下降気味といった感じで、三頭山山頂からの激下りが終わる鞘口峠では、これまでのようにコバンザメすることがキツくなり、一旦座り込んで休憩することにします。
走り続けることが出来なくなって休みたいと思った最初の休憩であり、これから先、そういった休憩を繰り返し取ることになります。その結果、20時間での完走を目標にたてたラップタイムからやや遅れ始めるようになってきています。

 

第2関門(月夜見山第2駐車場)を目指して…

調子があまり良くない中、ハラを括って立ち上がると、鞘口峠からの急登の登り返しが立ちはだかっています。脚は問題なく動きますが、ペースは上がらなくなっていて、息が上がることによって、気持ち悪さが倍増しています。それでも、先行するランナーを追い抜くこともありますが、追い付いてきたランナーに初めて道を譲ることにもなっています。
40Km地点(練習時に撮影)
※上記の写真は、練習時に撮影した写真になります。

そうした中、この辺りから睡魔に襲われ始めるようになり、欠伸を連発し、頭がボーッとなる瞬間が連発するようになってきました。また、こういった状況なので、いつもの練習ならガンガン走ることの出来る場所も、走ろうという気力が湧いて来ません…
ついに、納得出来るような追い込んだ練習がほとんど出来なかった影響が出始めたのでしょうか?

 

第2関門(月夜見山第2駐車場)

三頭山山頂から失速し始めましたが、それ以前の貯金も効いたようで、この区間はほぼ予定通りに42.1Km地点の第2関門(月夜見山第2駐車場)に到着することが出来ました。しかし、かなり疲れ切ったような感じに支配され、第1関門(浅間峠)に到着した時のような余裕は全くありません。
第2関門(月夜見山第2駐車場)

この関門は、唯一補給が可能なエイドとなっていて、ペットボトルの水2本、ポカリスエット1本を貰うことにします。そして、ソフトフラスクの緑茶と麦茶はほぼ尽きていたので、緑茶を入れていたソフトフラスクにペットボトルの水1本を補給することにます。また、もう1本の水のペットボトルは半分近く飲んで返却し、ポカリスエットは少し飲んだ後、ザックの中に入れておきます。
また、先程からの胃の不調により、固形物の補給も怪しくなってきたので、何とか食べることの出来そうな『朝からバナナ』を半分補給しておきます。こうしている間、雨に打たれながら動きを止めていたので、一気に寒くなり、トイレを済ませた後、十分に休憩することが出来ずに出発せざるを得ない状況になっています。

 

ついに力尽きる…

第2関門を出発すると、直後に激下りが立ちはだかっています。去年は降り続ける雨のせいで、超危険レベルのズルズル状態となっていて、転んだ勢いでジェットコースターのように直滑降で下って行ったり、ドスンと派手な音を響かせながら転倒した後、ダメージでうずくまったりするランナーがいて、地獄絵図が展開された場所です。しかし、今回はそこまでの危険地帯にはなっておらず、足の置き場させ間違わなければ、何とか普通に下って行くことが出来ています。
両側が切れ落ちた稜線(練習時に撮影)
※上記の写真は、練習時に撮影した写真になります。

ストックを駆使し、足場を確認しながら激下りを何とか捻じ伏せると、緩やかなアップダウンや、両側が切れ落ちた稜線を突破した後、御前山山頂に向けての急登が始まります。すると、明らかなペースダウンと眠気を感じながら、足元だけを見詰めながら黙々と登って行くという展開が続き、先行するランナーを追い抜くこともあれば、追い付かれて道を譲ることもあります。しかし、御前山の手前にある惣岳山山頂直下で力尽き、雨を避けることの出来る木の下で座り込んで休憩するハメになっています。その後、暫くして立ち上がると、周囲は座り込んで休憩しているランナーに埋め尽くされている感じで、一点を見詰めているか、俯いてしまっているかのどちらかに振り分けることが出来ます。

 

御前山山頂からの最凶の激下り

休憩してやや息を吹き返すことが出来た感じで、何とか惣岳山山頂まで登り詰めることが出来ると、この辺りからライトに照らし出される登山道が光り始め、足元がドロドロになってきた様子がハッキリと確認出来ます。ただ、去年と比べるとまだまだ全然楽勝で、息を吹き返した勢いのまま御前山山頂に向けての急登を黙々と捻じ伏せて登って行きます。すると、「ここが御前山山頂ですよ」というスタッフの声が聞こえるようになり、御前山山頂に到着すると、ベンチに座り、残りの『朝からバナナ』を補給しておきます。
御前山山頂(練習時に撮影)
※上記の写真は、練習時に撮影した写真になります。

雨のレースを覚悟した瞬間、最凶の敵となって立ちはだかるのは御前山山頂~大ダワの激下りだと思っていました。なので、この先のトレイルの状況をスタッフに聞いてみますが、ハッキリとした状況は分からないとのことです。まぁ、どういう状況であろうと前に進むしかないので、覚悟を決めて出発することにします。
御前山山頂直下は階段が設置されているので、ここは楽勝で突破することが出来ましたが、それが終わると、足元がやや不安定の中、足の置き場を見極めながら慎重に下って行くことになります。ただ、極端なスローペースになっていたので、後続のランナーに道を譲りっ放しの状況になっています。去年は足を滑らせ、カレーのルーのようになっている泥水の中に何度もダイブした『地獄』の区間でしたが、それに比べると、今年は『天国』とは言えないまでも、去年よりはマシな状況であることは間違いないようです。
こうして、御前山山頂直下の難関を切り抜け、標高が下がってくると、足元のドロドロも解消し、何とか普通に歩くことの出来るレベルになってきました。この後、何度か繰り返される登り返しも捻じ伏せると、待望の大ダワの光がやっと見えて来ました。

 

大ダワ

大ダワ(練習時に撮影)
※上記の写真は、練習時に撮影した写真になります。
大ダワに到着すると、雨を避けることの出来るトイレの建物の軒下を確保した後、まずはパイナップルを補給することにします。
これまでのレースの中で、絶対的な切り札として信頼していたパイナップルですがが、今回に限っては、そういった存在感を感じることが出来ていません。何とか食べることは出来ましたが、気持ち悪さは治まらず、逆にリバースしそうな感じが増してきたような気がします…

 

 

今回はここまでになります。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



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