今回は、25Km地点までお伝えした前回の投稿の続きになり、25Km地点からゴールまでのレース後半戦をお伝えしたいと思います。
25Km~30Km
ついさっき22Km地点のエイドでカロリーメイトゼリーを補給したばかりですが、これも当初の予定通り25Km地点のエイドに合わせてMag-onを補給します。そして、その直後の27Km地点のエイドではブドウ糖も補給し、これまでは完璧な補給リレーを完成させています。
この辺りからは、沿道の差し入れが目立つようになり、チョコレートや果物、飲み物といった定番の他に、エアーサロンパスのようなスプレーも提供してくれています。ただ、これが曲者で、風に流されたエアーサロンパスが時々目に染みることがあります。また、ビールやワイン、サワーといった掟破りのようなアルコール類もありましたが、さすがにこれはレース後にゆっくりと味わいたい気分です。
こうして、想定していたよりペースが速いという嬉しい誤算を含め、十分過ぎるパフォーマンスを発揮することが出来ています。ただ、さすがにここまでの距離を走って来ると、徐々に脚にも疲労が溜まってきているようで、両脹脛の上部(膝裏の直下)に怠さを感じています。なので、エイドで補給したり、スマホで写真を撮ったりしたタイミングで、屈伸やストレッチを入れて刺激しておきます。
30Km~35Km
30Km地点のエイドに合わせてキットカットの補給を終えると、家族との2回目の待ち合わせ場所が近付いて来ました。
最初の待ち合わせの反対側の31Km付近で、その手前から沿道を眺めながら進んで行きます。そして、「パパーッ!」と呼ぶ声を共に家族の姿を見付けると、立ち止まって少し休憩です。すると、20Km地点の手前で暫く止まっていたことを心配していたようで、トイレに行っていたことを伝えると安心したようです。
やはり、こうして顔を見て、声を掛けてもらえるだけで、頑張ろうという気持ちが溢れ、テンションもイッキにアップします。そして、ここでも屈伸しながら脚をリフレッシュすると、ゴール直前の丸の内仲通りで再会することを約束し、『30Kの壁』に立ち向かいます。
想定より速いペースで入ってしまったので、この辺りからは『30Kの壁』が立ちはだかり、徐々にペースダウンするかと思っていました。しかし、こうして再び走り始めると、そんな気配は全くありません。東京マラソンのコースの中でもメインとも言える銀座~有楽町~日比谷を駆け抜けますが、脚は十分に動き、自分の意志でペースのアップダウンも出来ています。
これまでの経験上、多分、このままのペースでゴールまでイケそうな感じで、今日に限っては、かなり低い『30Kの壁』だったようです。
35Km~40Km
持参した最後のエナジージェルであるアミノバイタルの補給は、35Km地点のエイドになります。
これで残りは7Km余りですが、このままゴールまで淡々とこれまでのペースを刻むのも楽しくないと思っています。脚の怠さは続いていますが、十分過ぎるくらいに脚は動いているので、ちょっと自分を試してみたくなり、6分15秒/Km程度までペースを上げてみます。すると、パパ隊長より速いランナーはほぼ皆無となりますが、行く手を遅いランナーにブロックされてしまいます。左右に避けながら前に出るのもリスクなので、当然ながらムリはしません。
こうして36Km地点過ぎに差し掛かると、『ロッキー』のテーマを生演奏してくれているおじさんがいます。やはり元プロボクサーのパパ隊長にとっては、一番テンションの上がる曲であることは間違いありません。そして、『ロッキー』のテーマに後押しされ、この後も6分15秒/Km後を維持し、この区間も5Km毎のラップタイムでは、20Km~25Kmの区間とほぼ同じ31分12秒を叩き出しています。
その後、田町駅で折り返し、戻って来た芝公園では、『Y.M.C.A.』が響き渡っています。もちろん、周囲のランナーと一緒に両腕で『Y』、『M』、『C』、『A』を作りながら走ることになります。
また、沿道からは、「お巡りさん、頑張ってーっ!」という声援が聞こえて来ました。周囲を見渡すと、2人組で走っているランニングポリスを発見です。ニュースとかでは知っていましたが、こうして見るのは初めてです。
こうした中、最後となる38Km地点のエイドで水とブドウ糖を補給すると、ゴールに向けてのラストスパートが始まります。
40Km~ゴール
41Km地点を過ぎると、コースは丸の内仲通りに入ることになります。すると、コースは一気に狭くなり、道幅をいっぱいに使い、遅いランナーの間を縫うように走り抜けながら、沿道の家族を探します。
そして、約束通りにゴール直前で最後の再会を果たしますが、スタートするまでは、もっとゆっくりとしたペースで、ヘトヘトになりながらここで再会すると思っていました。しかし、想定外の速いペースをスタート直後から維持したまま、ここまで走ることが出来たことに、自分でも少しビックリですが、笑顔で「楽勝!」と告げ、残っている力を振り絞りながら、ゴールへと向かいます。
その後、丸の内仲通りを走り抜け、左折して行幸通りに入ると、正面にゴールが見えて来ました。そして、最後はいつものように、両手を左右に広げながらゴールラインを駆け抜けます。
ゴール後
長いようで短かった42.195Kmが終わると、完走メダル、飲み物、みかん、ポンチョ、エマージェンシーシート等を貰いながら、手荷物受け取り場所になっている『大手町プレイスカンファレンスセンター』に向かいます。しかし、走っている時よりも遥かにキツい感じがします。ヨロヨロ歩く連中が行く手を塞ぎ、自分のペースで歩けないのが原因のように思えます。
その後、手荷物を受け取った後は、更衣室へと向かいます。すると、1日中花粉を吸い続けたせいか、この辺りからくしゃみを連発するようになってきました。そして、更衣室で場所を確保すると、ここで初めてタイムを確認し、ネット(スタートライン~ゴールラインまでのタイム、スタートの号砲~ゴールラインまでのタイムはグロス)で4時間40分46秒だったことを知りました。直前の2ヶ月、調整程度にしか走ることが出来なかったことを考えると、上出来と言ってもよい結果です。
また、脚は色々と痛い部分がありますが、最も心配だった右脚ハムストリングスは何事もなく、両足も水ぶくれや内出血は皆無で無傷です。
こうして着替えを済ませた後は、家族と東京駅で待ち合わせます。そして、無事に合流し、手厚く『介護』されながら帰宅した後は、娘のバイトの終了に合わせて焼き肉で打ち上げです。言うまでもありませんが、走った後のビールは最高です!
距離 |
ラップタイム |
スプリットタイム(ネット) |
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スタート~5Km |
33分24秒 |
33分24秒 |
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5Km~10Km |
33分50秒 |
1時間07分14秒 |
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10Km~15Km |
34分40秒 |
1時間41分54秒 |
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15Km~20Km |
35分59秒 |
2時間17分53秒 |
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20Km~25Km |
33分24秒 |
2時間49分04秒 |
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25Km~30Km |
31分11秒 |
3時間22分09秒 |
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30Km~35Km |
33分05秒 |
3時間55分21秒 |
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35Km~40Km |
31分12秒 |
4時間26分33秒 |
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40Km~ゴール |
14分13秒 |
4時間40分46秒 |
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レースを終えて
今回は怪我をせずに完走することだけが目標のレースでしたが、こういった感じでゆっくりとレースを楽しむのも悪くはないと思いました。ただ、それは『今』ではなく、タイムを狙って走れるうちは、やっぱり力の限り戦いたいというのが本音です。
これで6月の『DEEP JAPAN ULTRA 100』に向け、トレイルの練習に専念する土台が出来たような気がします。本来なら、サブ4の高いパフォーマンスを維持したままトレイルに臨むというのが理想でしたが、走れることの喜びを改めて知ることが出来ました。どんなにキツい練習より、怪我で走ることが出来ない方が遥かに辛いので、その気持ちを大事にしながら、100マイルレース初の完走を目指したいと思います。
これで『東京マラソン2023』に参戦した投稿は終了になります。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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