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Mt.FUJI 100 ~2024~【PART5】



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投稿者 パパ隊長

こんにちは!パパ隊長です。
右膝の痛みに対処し、竜ヶ岳を捻じ伏せ、富士河口湖町精進湖エイドに到着した前回の投稿の続きになります。
『Mt.FUJI 100』(FUJI100mil)のコースマップ
※地理院タイルにコース・エイド等のレース情報を追記して掲載

 

ロードでリバース寸前…

富士河口湖町精進湖エイドを出発すると、最初のうちは青木ヶ原樹海のトレイル(約1Km)を進みます。右膝はこれまでと同様に大丈夫な感じで、ゆっくりと走っても痛みは感じません。
しかし、走ると胃が気持ち悪く、今度はこっちが原因で走り続けることが出来なくなっています。その途中、夜の寒さに備えて着込んだ長袖シャツが仇になったようで、早々に暑くなり、脱ぐことになっています。
国道139号線に沿ったロードで最大のピンチ!

青木ヶ原樹海のトレイルが終わると、国道139号線に沿ったロードが鳴沢氷穴まで約5.5Km続くことになります。
走ると胃が気持ち悪いので、ほとんどが歩きですが、そうした中、ソフトフラスクの水を飲もうと口に含むと、その瞬間、イッキに込み上げて来るものがあり、口に含んだ水を吐き出してしまいました。また、その直後、「オエーーーッ!」とデカいのが襲って来て、ギューッと胃が締め付けられるような感じです。
それでも、何とかリバースするのは耐えましたが、2次、3次の波状攻撃に晒されています。一度リバースしてしまうと、以降は歯止めが利かなくなるということは、去年の日本山岳耐久レースで身をもって実証済みなので、ここは何としてでも耐え忍ぶのみです。

 

胃が最悪の状態になってきた…

その後、ずっと胃は重く、気持ち悪さは治まらず、喉元に何か詰まっているような感じが続いています。時々、「オエッ…」となるのを耐える瞬間もあり、水を口に含んでこうなるのは致命的です。ソフトフラスクのシリコンの臭いも強烈に感じるようになっているので、それが大きく後押ししているのかも?
そうした中、鳴沢氷穴の手前の森の駅・風穴で、自販機を見付けたので、水分補給を試みます。とろける桃ソーダを買い、何とか飲み干すことには成功しましたが、何かを食べようという気には全くなりません。こうなると、リタイア寸前の状況に追い込まれているということを、改めて認識することになりました。

 

足和田山山頂に向けてのトレイルに踏み込む

鳴沢氷穴でロードが終わると、西湖~河口湖の南に聳える足和田山山頂(五湖台、標高1355m)を目指します。約11Kmで標高差330mを登る林道のようなトレイルが始まり、ここからライトを点灯することにします。
すると、これまでの天子ヶ岳、竜ヶ岳への登りは隊列の一員となっていましたが、今回は一匹狼で進んで行くことになっています。前方や後方にライトの光がいくつか見えますが、距離はある程度離れています。そうした中、力尽きたのか、ぐったりと座り込んでいるランナーを時々見掛けることがあります。
一匹狼として足和田山山頂を目指す

 

登りのトレイルでも失速

登りの勾配自体は、それ程急ではなく、平坦な場所もいくつかあります。2019年の時は、結構走ることの出来た区間だったと記憶していますが、今回は胃が気持ち悪くて走ることが出来ず、ほぼ歩きに徹しています。
しかも、得意なはずの登りも結構キツく感じられ、これまでの天子ヶ岳、竜ヶ岳への登りのような力強さはありません。立ち止まってしまうことはないにしても、やっと足を運んでいる感じです。その上、こうして登りが続くと、足の指と向う脛が攣りそうになるのは、相変わらずです。

 

足和田山山頂

ぐったりと疲れ切った感じで足和田山山頂に到着!
こうして、ぐったりと疲れ切った感じで足和田山山頂に到着すると、まずはベンチに座り込んで休憩です。飲む気も食べる気もせず、取り敢えず向う脛とアキレス腱周りのマッサージしますが、足和田山でこんなに苦戦するとは思ってもいませんでした。そうした中、夜でもクッキリと富士山が聳えているのを眺めることが出来ています。
夜でもクッキリと富士山が聳えている

足和田山山頂を出発すると、結構な勾配の下りが待ち構えています。大きな段差では胃に響き、まったくスピードを上げることが出来ません。しかも、痛めていた右膝自体は痛くはありませんが、その痛かった部分から下の向う脛に痺れたような痛みが出るようになり、更にスピードダウンしてしまっています。
こうした状況の中、これら数々の苦難を乗り越え、自分が完走している姿が全く想像出来なくなってきました…

 

苦戦の待つロードに踏み出す

眼下の街の灯りを目指して足和田山を下る
標高差490mを約3.5Kmで下り終えると、ここから富士北麓公園エイドまでは、約10.5Kmのロードをメインとしたルートとなります。この区間もほとんどが歩きとなると、富士北麓公園エイドの関門時間の23時45分には何とか間に合いそうですが、予定していた1時間の休憩はほとんど取れなさそうです。

何とか走ろうとトライしてみますが、やはり胃が気持ち悪く、走り続けることは断念します。途中、状況を変えようと思い、自販機でビタエネCを買ってみます。しかし、全部飲み切ることが出来ず、逆に炭酸が災いしたのか、「オエッ…」とリバースしそうになっています。

 

娘からの応援LINE

大苦戦が続く中、21時48分、娘から「がんばれー」というLINEが届きました。愛情を込めた返信だけはしましたが、残念ながら、それに応えることは出来そうにない感じです。
もし、「明日、ゴールで待っているよ」というメッセージだったら、例え屍になろうとも、何としてでもゴールを目指したと思いますが…

 

その後も大苦戦が続く…

その後も、時々込み上げて来るものに耐えながら、最後は富士北麓公園エイドに向けての登りが続きます。疲れ切った体には堪える急勾配で、全く走ることは出来ません。
途中、一緒になった女性ランナーと話をしながら進み、時々、地図アプリで現在位置を確認しますが、なかなかエイドが近付きません。女性ランナーは去年のUTMFに参戦していて、その時は、腸脛靭帯が痛くなり、96.4Kmの富士急ハイランドでリタイアしたそうで、今回はまだ先に進むつもりと言っています。
パパ隊長はというと、次の忍野エイドを目指すことは諦め、富士北麓公園エイドでリタイアすることを決めていました。ただ、富士北麓公園エイドまでは何としても関門時間までには到着するというのが、今の最大の目標として歩いています。ちょうど眠くなりかけていたので、女性ランナーに話し相手になって貰い、助かりました。
こうして、長かった登りがやっと終わると、富士北麓公園の明かりが見えて来るようになり、最後の力を振り絞ります。

 

富士北麓公園エイド

23時34分、右膝の痛みと脚の痙攣、胃の不調に悩まされながら、何とか97.4Km地点にある富士北麓公園エイドに関門時間の11分前に到着です。
一応、ドロップバッグを受け取った後、ストーブ前の場所を確保し、本部に行ってリタイアを伝え、計測チップを返します。右膝と胃の痛みで走り続けることが出来ず、その上に飲み食いも出来ないとなったら、さすがに完走することは出来ないという判断です。
トラブルに対処しながら、今出来る全力は尽くしたつもりなので、その結果としてリタイアに恥じることは全くありませんが、やはり悔しい気持ちでいっぱいです。そうした中、家族や友達にLINEでリタイアを伝えます。
この間、富士北麓公園エイドの出発の関門時間である23時55分が迫っています。そして、そのカウントダウンが進む中、ギリギリで出発するランナーは盛大な拍手で見送られています。もちろん、パパ隊長も心から応援する気持ちで拍手を送ります。

距離 目標タイム 実績タイム
富士山こどもの国 F1:富士宮 25.3Km 3時間09分(20分) 3時間56分(16分)
F1:富士宮 F2:麓 27.2Km 7時間15分(30分) 6時間44分(48分)
F2:麓 F3:富士河口湖町精進湖 18.2Km 4時間33分(20分) 4時間33分(35分)
F3:富士河口湖町精進湖 F4:富士北麓公園 26.7Km 6時間13分(60分) 6時間12分
F4:富士北麓公園 F5:忍野 15.6Km 3時間38分(20分)
F5:忍野 F6:山中湖きらら 9.5Km 2時間27分(30分)
F6:山中湖きらら F7:二十曲峠 13.5Km 4時間03分(30分)
F7:二十曲峠 F8:富士吉田 11.8Km 3時間32分(30分)
F8:富士吉田 富士山の銘水スタジアム 18.8Km 5時間38分
富士山こどもの国 富士山の銘水スタジアム 166.6Km 44時間28分
富士山こどもの国 F4:富士北麓公園 97.4Km 23時間04分

※目標タイムと実績タイムの(〇〇分)はエイドでの休憩時間

 

リタイア後

その後、簡単な着替えを済ませ、駐車場を巡るシャトルバスに向かいます。そして、0時40分発のバスに乗り、途中、「うっ…」となるヤバい瞬間がありましたが、何とか耐え抜き、その後はウトウトしながら富士山パーキングに到着です。
こうして、予定より早く、ひとりで車に戻って来ることになりました。その後も、胃の不調は続いたままで、何も食べることは出来ず、直ぐに布団と毛布に包まり横になりました。

 

一夜明けて…

昨晩横になると、一瞬で寝込んでしまったようで、爆睡して気が付くと、時刻は6時半になっていて、雨が降っています。
暫くの間、そのままゴロゴロしますが、さすがに脚は筋肉痛になっています。ただ、今回は足に塗った保護クリームが効いたのか、水膨れは皆無でノーダメージです。そして、不調だった胃もやっと回復してきたようで、気持ち悪さは消え、お腹が空いた感じがしています。その後、トイレに向かうと、普通に歩く分には、特に強烈な痛みはなく、100Km近く走った翌日とは思えないくらいに復活しています。
こうなると、「もっと頑張れたのでは?」、「ホントに全力を尽くすことが出来たのか?」と思ってしまい、ちょっと落ち込んでしまいます。ただ、最悪と思われる状況の中、リアルタイムに下したガチの判断と、それから回復した後で考える色々なことを比べる意味は全くありません。

 

家族と合流

その後、家内とこの後の打ち合わせを済ませ、富士急・富士山駅(10時48分着)で合流することに成功すると、『甲州ほうとう小作』に向かいます。ちなみに、合流したのは家内・長男・次男のいつもの3人衆で、娘はバイトということで、今回はレースに打ちのめされた上に、バイトにも屈してしまいました…
『甲州ほうとう小作』では、まずは生ビールで喉を潤し、鴨肉ほうとう、馬刺し、天丼(全員でシェア)で満腹です。結果に関わらず、レース後のビールは最高に美味く、昨日から食べることの出来なかった分を取り返した感じです。
馬刺しをおつまみに生ビールで喉を潤す

昼食後は道の駅・なるさわに向かい、パパ隊長は『富士眺望の湯 ゆらり』で汗を流し、その間、3人衆は道の駅で『なるさわ富士山博物館』や物産館をブラブラしていたそうです。再会後、お土産を買い、家内に運転して貰い、ウトウトする時間を過ごしながら、自宅に無事到着することが出来ました。

 

次は『彩の国』のリベンジマッチ

レースの片付けを済ませると、締め括りとして、リタイアしたレースの恒例となっているナンバーカードのリビングの壁への貼り出しです。リベンジした時に剥がすことにしていて、2年前の『彩の国』と並んで貼ることになる屈辱ですが、『彩の国』の方は、3週間後に剥がす予定です。もちろん、ナンバーカードを3つ並べることだけは絶対に避けなければなりません。
『彩の国』と『Mt.FUJI 100』のナンバーカード…

これまで『Mt.FUJI 100』のために練習してきたことと、苦しさを伴ったその結果が、『彩の国』のために必ず役に立つと信じ、『彩の国』のリベンジマッチに向かいます。

 

 

かなり長くなってしまいましたが、これで『Mt.FUJI 100』に参戦した投稿は終了になります。次は完走した『彩の国』の投稿で再会したいと思います。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



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